2秒間、物質を貫流するに必要なおそろしく
強力な~電~気がか~かった。何千~ヴォルトか何
十~万ヴォルトかの電力、というふうにハンス・
カストルプは聞いたような気がした。電気はど
うやら~~一筋にまと~められたか~と思うと横道
に~それ~~て~放電しようとし、あたかも鉄砲で
も撃つかのようにぱちぱち鳴った。「なかなか
こいつはうるさいねえ。」オツベ~ルは~いつ~か
どつかで、こんな文句をきいたやうだと思った。
計量器もぱち~ぱ~~ち音をた~てて青い光を放ち~
~~、その電光~が壁沿いに~~音をたててつつっと
走っ~~~た。赤いガラスの眼の玉から射られた光
が、静かに威嚇するように室内を蹂躙した。そし
てヨーアヒムのうしろにある瓶が緑色の光に満た
された。やがてすべてが平静に還った。______
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