ではまずはじめに、プロの○○になりたいと思ったきっかけをおうかがいしたいと思います。
___ 私はまずあなたの質問を修正することからはじめなければなりません。○○になる人間は必ずしも「なりたいと思って」なるわけではありません。すくなくとも私はちがいます。ではなぜ私は○○になったか。生活のためです。○○をはじめる前の2年間、私は全くの無収入でした。2年間も無収入を続けると、人間なにかしないわけにはいかなくなります。わたしは自分にできることをしているにすぎません。これは、したいとかしたくないとかいうこととはまるで別の話です。
 しかし、プロの○○なら、○○として使ってくれる人、○○としての労働に対価を払ってくれる雇用主や顧客が居なくてはなりませんね。じっさい誰もがプロの○○になれるわけではありません。
___ そういうことは、わかりません。単に事実として現実は五里霧中です。すべての見通しのようなものは見通しの姿をまとったまやかしです。ちょうど視覚が、例えば手元 30cm のペン先を見ているつもりでも、1ブロック先に立っている友人を見ているつもりでも、2万光年先の★を見ているつもりであっても、眼球からは一歩も外に出ていることがないのとおなじです。私にとって顧客は、唐突に出現するエイリアンにほかなりません。エイリアンについて何を語ることができますか。ともかくなんにせよ○○なんてなりたがってなるようなものじゃないですよ。
 しかしそれではつまりご自身は○○になるべく特権的に運命づけられた存在だと主張なさっているような印象を読者のみなさんは受け取られるんじゃないかと思うのですが、、、
___ しったこっちゃありません。というか、おっしゃていることがよくわかりません。そんなのは、あなた個人の中に成立している階級制度の問題であって、、、
 すみません。説明の仕方がわるかったようです。落ち着いて話しましょう。
___ なぜあやまるのですか? どうやらあなたを興奮させてしまったようです。謝りましょう。時間もおしてますし、では、もうそろそろ失礼します。今日はありがとうございました。といって席を立つ。(といって席を立つ)
 あ、こちらこそ、ありがとうございま・・・   えー。番組のはじめにお知らせしましたサイン色紙ですが、いただきそこねましたので、今週はプレゼントはありません。くわしくは番組のホームページをご覧下さい。 え?もうもらってるの?
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